ゆの里」のロビーでは、酸性の水を好む魚とアルカリ性の水質を好む魚が同じ水槽で仲良く同居。淡水魚と熱帯魚が同じ水の中でスイスイと泳ぐ姿が見られます。水槽の水は「銀水」と「金水」をブレンドした「月のしずく」です。
空海の言い伝え、世に出るべくして出た神秘の水「月のしずく」の水が湧き出す「ゆの里」とはどんなところなのでしょうか?
掘削秘話からお水が湧き出るまでのお話、さらには現在ゆの里で「月のしずく」を使って実際に行われている実験などについてご紹介します。
織物工場から温泉施設経営へ!
「ゆの里」はもともと織物工場を営んでいた重岡家が経営する温泉施設です。
創始者であり、初代会長を務めた重岡寿美子さんが「織物は中国が台頭してくる。これから大事になるのは健康。それには温泉施設が必要」と井戸を掘ることを思い立ちました。
とはいえ、このあたり一帯には水脈がなく地質調査の専門家からは「水は出ない」と断言されてしまいました。
それでも重岡会長は水が出ることを信じ腕のいい掘削師を呼び寄せ試しに50メートル掘ることに。
局部地震がもたらした水
掘り進めたものの予想通り水はまったく湧く気配を見せませんでした。
工事をはじめてしばらくたったある日、高野山近郊を震度4の地震が襲います。自宅にいた重岡会長がバッと外に飛び出すほどの揺れでしたが、市内の震度はさほど大きくなく、まさにゆの里周辺を襲った局部地震でした。
この地震で重岡会長は「お水が湧く」と直感、急ぎ掘削師にバルブを緩めてもらいます。すると、今まで水の気配すらなかった井戸から、毎分400リットルの無菌の水が湧き出てきました。それが「金水」です。
岩肌を通って二重にろ過された「金水」を使って、昭和62年の秋に健康ランド「ゆの里」を開業しました。
新しい水を得て、健康ランドから天然温泉施設へ!
開業以来、さまざまなお客様が訪れるようになりました。
中でも重岡会長にとって印象深かったのが山伏の修行者の格好をしたお客様。毎日のようにお風呂に入っては高野山に向かって法螺貝を吹き帰っていく。その方がある日、重岡会長に声をかけました。
「ここは高野八葉に守られた聖地。あと3~5年は苦労するけれど、その後は全国から癒しを求めて人が来るような大切な場所になりますから、どうかそれまでがんばってください。」
その言葉を聞いた重岡会長は「天然温泉が必要」と温泉を掘ることを決意。1年後、地底1,187メートルから良質で不思諸な力をもつ温泉水が湧き出てきました。
「銀水」と名づけられた水を使い「ゆの里」は、健康ランドから天然温泉施設へと成長していったのです。
かの空海が残した言葉に想いを馳せる
空海は高野山に「濁乱濁世不違吾誓願可涌湧水金」(濁乱濁世なりともわが誓願に違はざれば水金を湧かすべし)という言葉を残しています。
昔から「神野々の聖地の下には人々を救うお水がある」という伝説が残されています。
空海の言葉を知ったとき、その言い伝えを知る人たちの間では、「金水」と「銀水」がその言い伝えの水に違いないと思ったそうです。
「35億年前の太古の化石水」といわれる「銀水」をある大学の研究室が分析したところ、細胞の自滅、新陳代謝に関係する「アポトーシス」の働きを高める働きがあることがわかりました。
また、一般的な温泉水は空気に触れた瞬間からエネルギーの劣化が始まると言われる中、「銀水」は汲み上げて1~2年たった後も変化しないといわれ、その事実に温泉の専門家も驚いたと言います。
事実、温泉水「銀水」と無菌の地下水「金水」をブレンドした「月のしずく」が不思議な力をもったお水であることは、「ゆの里」で実際目にすることができます。
ゆの里」のロビーでは、酸性の水を好む魚とアルカリ性の水質を好む魚が同じ水槽で仲良く同居。淡水魚と熱帯魚が同じ水の中でスイスイと泳ぐ姿が見られます。水槽の水は「銀水」と「金水」をブレンドした「月のしずく」です。
ロビーに華やぎを添える蘭は最長で5年半、花芽を欠かすことなく咲き続けています。鉢皿に「金水」と「銀水」を入れたままの状態は、蘭が根腐れしやすい花であることを知っている人たちから見ると、驚きの光景です。鉢皿に入れる水は「金水」と「銀水」のブレンドである事が大事。
「ゆの里」ではさまざまな野菜が有機農法の水耕栽培で育てられています。有機農法とは、地中の微生物が有機物を分解し、その物質を植物が吸収して育つもの。
こちらもよく知る人は「土を使わず無菌に近い状態が求められる水耕栽培での有機農法はあり得ない」と首をかしげるほど。でも実際に「ゆの里」では「月のしずく」の水でそれを実現しているのです。
「月のしずく」は加工食品の世界でも不思謹な力を発揮。デザートとしても人気の豆乳ヨーグルトは、乳酸歯を「月のしずく」で培養することで機能性の高いヨーグルトになることがわかっています。
また、「ゆの里」には手づくりパンエ房があります。小麦粉との相性が抜群の「月のしずく」を使い食パンからアンパンなどの菓子パンまで種類が豊富。もちもちとした食感も人気の秘密ですが、不思諾なのは冷蔵庫に入れても柔らかい状態が続き日持ちがすること。普通、パンを冷蔵庫に入れると硬くなりますが、「月のしずく」を使ったパンはちょっと違うのです。